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そう、同じ会場だ。
千愛が棄権したコンクール会場は同じコンクールで同じ会場。
だからこそ、一緒にいるつもりだった。
それが、仕事?
まったく納得いかない。
車から一番先に降りたのは知久で張り切って入り口に向かった。
遠足気分もいいところだ。
コンクール会場のロビーに入ると隈井先生がうろうろしているのが見えた。
「隈井先生、休憩ですか?」
前半と後半の途中休憩だろう。
気分転換にコーヒーでも飲みにきたか?と思っていると違っていた。
俺の顔を見るなり、早口でまくしたてた。
「渋木君!いいところにきた。雪元さんがいない。どういうことだと思う?会場に来ていたのは目にしていたんだが、今になって姿が見えないんだ!」
「千愛がいない!?」
「えっ!?千愛ちゃんが?」
「昼寝して寝過ごしてる……?」
「深月君じゃあるまいし、そんなわけないだろう!」
隈井先生のこんなに焦った顔を見たことがない。
「休息は大事だよ」
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