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会場を出て唯冬が私を連れてきたのは自分のマンションだった。
最上階のペントハウスはルーフバルコニー付きで当然ながら眺めがいい。
今はまだ日が沈んでいないから、夜景とまではいかないけれど、ビルの灯りが点々と灯り始めて、夕暮れ時特有の不思議な気持ちを味わった。
「どうかした?」
「すごいマンションに住んでいるんだなって思って」
「親からもらったマンションだよ」
「もらった!?こんな部屋を?気前のいい両親ね……」
私の親は学費のみだけで、生活費はもらえなかった。
親からは大学の学費を支払ってやるだけでもありがたいと思えと言われ、その後は私の存在は完全に無視。
だから、大学時代はアルバイトをいくつかやって生活していた。
どれも音楽とは無縁のコンビニやファミレスの店員のバイト。
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