2.ピッピ君についての一考察

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「ああ、ピッピ君が外出していったのは、入り口でゴガードさんに聞きましたよ。居なきゃ居ないで不便でしょ。  ああ、どうもありがとうございます」  教授の研究室には二人の助手がいる。  一人はピッピ君なる人物で、本名をピピドゥーエン=フォンデンという長ったらしい名前をもっている。  ピピドゥーエンという変てこで長ったらしい名前が教授は大嫌いで(本名なのだから仕方がない、とルートブリッジは思うのだが)、「ピッピ」という名前に半強制的に改名させられた。  元々教授の生徒で、卒業してからも別に仕事を持ちながら研究室に出入りしているらしい。  ピッピ君はぽってりとした巨漢で、話すときに語尾を引き延ばす変な癖があり、これもしばしば教授が毛嫌いして改めさせようとしている最中らしい。
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