1.衛士長、再び帝国学校へ

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 都市国家の内部には、生活に必要な品を扱う店舗や病院、警護や娯楽の施設、教会や学校、上下水設備といった生活場としての街の機能は当然のこと、農地や牧場、森や川に墓場まで、全ての生活をこの都市国家の中で完結することができる。  これが、生活する場としては十分な広さを持ってはいるものの世界の広さに比べたら極僅かの領土に過ぎないシティエイスを、閉塞感が漂う巨大都市国家群に押し上げている要因なのであろう。  そんな都市が持つ陰鬱な雰囲気を嫌厭してなのか、生活するには不足ないこの帝国を抜け出し、積極的に帝都ネオヤードから離れた田舎の地方都市で魔物や害獣の駆除や討伐を請け負う仕事を引き受けたり、都市国家群や未踏の原野へ生活の場を求めたりなど、その日その日の生計を立てる生活へあえて身を投じる者もいる。  それが「冒険者」と呼ばれる職に就く者たちである。
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