どいつもこいつもヤキを入れてやろうか!

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俺の下に女の裸。 白い肌に大きく形の良い胸。 括れたウエスト。 そして蠱惑的な顔の女。 ──やば。 と、思って視線を反らして──ベッドのサイドのアレを見つけた。さっと周囲も確認する。 そして深呼吸をしてその細い両手首を掴みながらそのまま詰問した。 「単刀直入に聞くけど、俺と寝た?」 「うんって、俺? へぇ、そっちが地なのかなぁ」 「……まぁね。で、俺は中に出した?」 「えっーと。うん、そう」 俺はここでゆっくりと手首を緩めた。 「じゃ、悪いけれどピル飲んで。子供は出来ても俺は──認知もしないし、責任も取らない。認知が必要ならそれなりの手続きをしてくれ」 「え、え、ちょっと、」 「で。俺は寝た時の記憶が一切ない。見たところ、ここのゴムを使用した形跡はないみたいだし。サイド横のゴミ箱にも何も入ってない。ティッシュも形が整っているから──って事で間違いない?」 「そ、そうだったかなー。私も酔ってたからちょっと記憶があやふやかも?」 「分かった。どっちでも良いから絶対にピル飲んで。今なければ病院今から行って。俺も付き合う」 「いや、そんな事しなくとも! その、私と付き合ってくれたらそれでいいから!」 ──妖艶な笑みは消え失せて明らかに動揺をしているようだった。 これはナイなと思った。 何だか良く分からないが嵌められたと思った。それが相手にも伝わったのか、動揺の気配が消え去り、何かを決意するような表情に変わった。 そして、俺が抑えていた手首をすり抜けて逆に俺の手を掴んで自分の胸に押し付けてきた。 「んっ。もうさ。そんな事どうでもいいじゃない。それよりしよ? 今、宮下クン、フリーじゃない。子供じゃないんだから身体からはじめる関係でもいいでしょ? ね?」 ──私の身体、結構いいと思うから試してみて? と、囁く。 ここはもう、下手に答えても後々面倒な事になると思った。正直に答える方が良いと思って──。 手のひらに感じる柔らかな肉にぐっと力を入れて見ると氷里さんが短く喘いだ。 そう、別に俺はこのまま──。 「正直に言うと、このまま何も考えずに抱いたら気持ちイイと思う」 ふふふと、嬉しそうな顔をする氷里さん。 しかし──ただ俺は。 「──ヤリたいだけ。性欲処理を目の前にあるモノで処理したいだけ。そこに何の愛情もないし。言い方悪いけれど──今後、無料の風俗女扱いするけど、それでも俺に抱かれたい?」 そこで、笑顔が凍りつく。 さらに追い打ちをかけてやる。 出来るだけ低い声で囁く。 「セフレ以下の女が本命になるとかあり得ないから、夢みんなよ──茉里」 そこで俺は胸から腹。 腰に。 その下に。 手を伸ばしてやると、ぐっと手を抑えられた。 ──良かった。 と、思いつつ態度はかえずに反応してみた。 「白ける事すんなよ」 「もういい。……白けたのは私の方。私に気持ちゼロ過ぎて攻略出来る気がしなーい。流石に勝てない試合はしたくない。無理ゲーってやつ?」 そこで、初めて氷里さんは恥じらうように俺から身体をくねらせて俺の下で縮こまった。 よっぽどその方がそそると思った。 俺は出来るだけ別の事を、そう。 頭に刺繍ステッチの一指し、一指しを思い描きながらゆっくりと離れて、ベッドの端に腰掛けた。 そして脳内で氷里さんの身体に顔だけ部長の──。を、想像してしまう自分がいた。 俺は中学生向か。 自嘲してしまいそうになるが、その思い出した顔で冷静なれた。
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