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さよならモルテ
パァン!!と乾いた銃声が静かな雑木林に響き渡り、続いてドサっと何かが倒れる音がした。
まず倒れたのはルイだった。
自らを撃とうとするレイラを、とっさに飛び出して止めようとしたルイだったが、彼の手はあと一歩、レイラに届かなかった。
地面に倒れこんだルイは、しかしどこか安心した様子で顔を上げた。
「気持ちが急くのは分るけど、私のこと忘れないでくれるかしら?」
ルイの視線の先には、レイラの背後から彼女の手首をつかみ、拳銃の銃口を空に向けて逸らした人物がいた。
「リア様!? どうしてここに……」
後ろを振り返ったレイラが声を上げた。
リアはレイラの手首をきつく握りしめたまま答えた。
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