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「一目惚れ、ですって」
リアが不意につぶやいた。
「彼ね、心底あなたが好きみたい」
耳元で囁かれ、レイラの手から力が抜ける。
その一瞬の隙を見逃さず、リアはレイラの手から拳銃を奪い取った。
しかしそのときにはもう、レイラは死ぬとか殺すだとか、どうでも良くなっていた。
「その話は僕から彼女にゆっくりさせてください、リア様」
勝手にルイの胸中を告白しようとするリアを止めようとルイが口を挟んだ。
「そんなに彼女と二人きりになりたいの?」
リアはからかうように言ったが、ルイは苦笑するだけで否定しなかった。
「リア様はほかに成すべきことがあるでしょう? 僕は一刻も早く彼女を安全な場所へ避難させたいんです」
言いながらルイはレイラの腰を軽く抱き寄せた。
「まったくもう、分かったわよ。仕方ないわね、でも私だってレイラちゃんとまだ話したい事があるんだから、明日会いに行くくらいは許してよね」
「分かりました」
リアは仕方なくといった様子で、「じゃあルイ、レイラちゃんのことは任せたわよ。レイラちゃん、また明日ね」とレイラを受け渡した。そして先ほど話していた〝成すべきこと〟とやらを成すために、颯爽と去って行った。
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