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本当に突然でしたよ。 家だけが残った風でね。
親はおろか、学校の先生も事情を把握していませんでした。 僕らは一種の恐慌状態に陥ってましたよ。 せめて感謝の一言くらい伝えたかったです。
……ただ、子供は残酷と言いましょうか。 智哉抜きで夏休みを謳歌していると、自然に彼の存在が薄れていったんです。 新学期を迎える頃にはとっくに「そういう友達もいたな」と望郷のように思うくらいでして。
恐らく、母親らが口を酸っぱくして「家庭には家庭の事情がある」と僕らに詮索を避けさせたことが大きな原因でしょう。
まあ、別に智哉に嫌がらせを受けたわけでもないですし──これまた子供の浅はかな考えですけど──どこかで会えるだろうと楽観してもいましたから。
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