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「だ、大丈夫です」
このままでは尊死すると思って慌てて離れる。だけど、さっき足首を捻ったせいかその痛みでぐらついた。
次の瞬間、ふっと足下が軽くなり、体が宙でくるりと横向きになった。
「はるかさん……!?」
「これじゃ歩けないだろうから、運ぶね」
「そんな……!」
まさかのお姫さま抱っこーっ!!!
室内に入ると周囲からの視線に恥ずかしくなった。でもそれよりも、リアルの男の人に抱きかかえられていることが信じられなくて、私の頭は沸騰しそうになっている。
顔が、あまりにも近い。
それに、大きな手だなあって思う。
彼の体温まで感じる。
「あ、あの……もう、大丈夫ですから、下ろして……」
心臓がドキドキしすぎて震える声をようやく出した。
すると、遥さんが「ん?」と言って私にその顔を向けた。
リアルイケメンの近距離。
今までに経験したことのないドキドキ感。
やだ……わたし、恥ずかしいこと考えてる。
こんな大人の男性にぎゅってされたらどんなふうになるんだろうって。
キュン死しちゃう……!
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