プロローグ

3/3
前へ
/556ページ
次へ
 今まで彼氏はいなかったけど、男の人に興味がないわけじゃない。  私にだって乙女心はしっかりある。  私の好きな人。  アイドルグループ『SAMURAI王子』のリーダー大和(やまと)翔真(しょうま)だ。180cm長身、黒髪さらっさら、クールな表情、時折見せる極上の微笑み。まさに2次元から飛び出したようなイケメンである。  結婚も恋愛もまったく興味のない私だって相手が翔真なら喜んで結婚しますよー。  それはとある晴れた日曜日。  そこそこ高級ホテルのレストラン。  赤い絨毯にヨーロッパ風のシャンデリアやテーブル、そして目の前にはしっかりテーブルセッティング。  お見合いという昔ながらの形式どおり堅苦しい着物を着せられ、しっかりメイクまでさせられた私。  そう。本日はお相手と初対面なのである。  一応結婚相手ということだから、そわそわして落ち着かない。  だって、女子高生(しかもまだ17歳の未成年)とお見合いしようだなんて、一体どんなオトコなんだか。  私より10歳上だと聞いている。  5年前なら犯罪レベルだ。  ドキドキしながら待つこと数分。  それほどかからないうちにお相手が現れた。  私はその姿を見て、驚愕のあまり瞬きも忘れて見入った。  180cm長身(たぶん)、黒髪さらっさら(まじか)、クールな表情(ドキッ)、そして極上の微笑み(きゅん)。  推しレベルがキターッ!!!!!
/556ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5440人が本棚に入れています
本棚に追加