まるで少女漫画のように

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 う、嘘でしょ?  事前に確認した写真では顔だけだったけど、もっと学生っぽい感じの雰囲気だったのに……。 「ねえママ、写真と違う」  私はとなりの母にこそっと声をかける。すると母はすかさず返答。 「だって彼が大学の頃の写真しかなかったんだもの」  何それテキトー。  これ人生かかってんだよね?  とは言え、いい方向に予想を裏切ってくれたので母を責めるのはやめておこうと思う。  父と母が向こうのご両親と挨拶をしているあいだ、私は相手をじっと見つめた。彼も私の両親に目を向けているので今がチャンスとばかりに上から下まで目を走らせる。  細身のスーツがめちゃくちゃ似合ってる!  同じクラスの男子とはぜんぜん雰囲気が違う。この落ち着いて余裕のあるオーラはまさに大人の男性って感じだ。  うわー足が長い!  細いのに体格もしっかりしているし。    私の身長が162cmだから彼との身長差はたぶん18cm。いろいろなことがちょうどいい。少女漫画で例えるところの後ろ抱き(バックハグ)が抜群に絵になるんじゃないかって思う。  そう、私が何度も翔真と妄想したアレが実現、できる……!  やば、鼻血出そう。
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