まるで少女漫画のように

4/10

5246人が本棚に入れています
本棚に追加
/556ページ
「いやあ、若いのにしっかりしている。さすが京一(きょういち)くんの娘さんだ」  そう言われた父は照れながら頭をかく。  おじさまがわざわざそう言ったのは父の顔を立てるため。なぜなら父は婿養子だからだ。  おじさまと母は幼い頃によく遊んでいた仲らしい。大人になってほとんど会う機会がなかったけれど、こうしてまた縁が繋がれて嬉しいとおじさまが言った。 「いろはちゃん、息子の(はるか)だ」  おじさまの言葉にどきりとした。  同時に彼に目を向けると、向こうもこっちを見ていた。  切れ長の目に射抜かれて、失神しそうになるのを堪える。  お、落ち着け……彼は翔真じゃない! 「遥です。よろしくお願いしますね」  落ち着きのある心地よい声。  なんと、声までイケメンだったよー。  こんなに素敵な人が親戚にいたなんて知らなかった。  そう、私たちは親戚同士の婚姻ということになるのだ。  とは言っても、かなり遠い。  秋月家の家系図は以下のとおりである。 3b242130-b376-4293-9c3e-3a8f6be7c0b8
/556ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5246人が本棚に入れています
本棚に追加