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秋月家はいくつか会社経営をしていて、正史郎おじさまは本体の社長。つまり結婚相手の遥さんは将来それを継ぐ人間であり、その妻になる私は社長夫人ということ。
だ、大丈夫だろうか……。
早まったんじゃないかな。
ていうかこれ、政略結婚ってやつじゃないのかなあ?
という漫画ばっかり読んでいる私はそんな妄想を繰り広げていた。
「立ち話もなんだから、みんな座ろうか」
おじさまのひと言で全員テーブル席につく。
その瞬間、私はもう一度遥さんを見た。すると、彼はなぜかずっとこちらを見ていた。そして私と目が合った彼は極上の微笑みを返してくれた。
どきりとしてとっさに目をそらす。
あ、あ……まずい。
遥さんがますます翔真に見えてくる。
まさか、ずっと思い続けていた『推しの嫁になりたい』という夢が叶う日が来るとは思わなかった――。
って、違う!
私はあまりにも頭の中がお花畑になりすぎている。
遥さんをアイドルと重ねて見てしまうなんて失礼だよ!
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