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「でも、ほんと一瞬なんですね」 願い事を三回なんて話を聞いた事があるけれど到底無理だ。 せんぱいの方を見ると、せんぱいはこちらを見ていた。 「もしかして、流れ星見れるって分かってたんですか?」 「いや。極大期じゃないし、俺にも分かんなかったよ」 だから、自分の中で賭けてたんだ―― 不思議なことを言った後、先輩が笑った気配がした。 「賭けてた?」 「そう、もしも二人で星を見てるときに流星を見つけられたら言おうと思ってた」 今日二人で空を見上げて、流れ星を見られる確率がどの位かは俺には分からない。 だけどさっき、流星をみれるか聞いたとき『どうだろうね』って返したせんぱいを思い出した。 「俺さ、君の事が好きなんだ」 先輩は、いつもの声で、そっとそう言った。
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