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セイシュウがCRH隊員だと言うのは、妻も娘も知らない。カルディアイーターなる存在は秘密裏にされていて、ふたりには刑事だと伝えてあった。
セイシュウはこれまでに、カルディアイーターによる被害に遭ったことはない。ではどうして隊員になったのか? と問われれば、当時の局長による引き抜きであった。
CRH隊員の改革を。抜きん出た逸材を集め、跋扈するカルディアイーターの討伐を。
その改革化の元、抜刀術で名を馳せていたセイシュウに白羽の矢が立った。
危険な職ではあったが確実に手に職を付けるものであったし、生きている間はもちろん、殉職した後の支払いも破格だった。
若くして妻がいたセイシュウはふたつ返事で了承。師範代を降りてCRHの隊員となった。
元々秀でた能力を持っていたこともあり、セイシュウが功績を上げていくのは早いものだった。同期でもひとりずば抜け、1級隊員になるのも時間は掛からなかった。
その頃下の代でひとり突出した存在がいた。それがイオジャクであり、彼が1級隊員に上がって来てからは、カルディアイーターの討伐数と成功率が格段に上がった。
CRHの中だけではなく、私生活も充実していた。娘が生まれ、それはそれは目に入れても痛くない程に可愛がった。
妻のことは変わらず愛していたし、留守がちになることを申し訳なくも感謝していた。娘にも普段寂しい思いをさせていたが、その分休みの日はもういいと言われるまで付き合った。
順風満帆。仕事も私生活も順調そのもの。
そう。その日が来るまでは――。
セイシュウとイオジャク。ふたり揃って討伐の任務に就くことも多かった。実績と功績を積み重ねていく中、セイシュウはあるカルディアイーターの討伐に向かう。
ナンバー付けもされていない、ノーナンバーの討伐。
セイシュウからすればそれは、簡単な狩りだった。
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