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「なんだろ? 大きな地震じゃなかったのに外が騒がしいわ…?」
外に出ると、アパートの住人と大家のお婆さんが揉めていた。築数十年の老朽化したアパートは小さな揺れにも耐えられなかったようで、目視で見ても明らかに傾いている…。
「安全が確認されるまでは退去して頂きます」と急な立ち退きを迫られた!?。しかもこの機会にマンションに建て替えるというのだ。
「えっ!? このアパートをマンションに建て替えするんですか!?」
「予定が早まってごめんなさいね、相続の問題で次に建て替えるときはマンションにすることが決まってたのよ…」
「新築マンションになったら…私が借りられるような家賃じゃ…ないですよね?」
そう私が尋ねると、大家のお婆さんは申し訳なさそうな顔に。大家のお婆さんを責めても仕方ない。だがペット可の一人暮らし賃貸は高くてとても手が出ない…、住むところまで失って私の顔は益々青ざめる。
「忍君まだ起きてるかな? 相談したいこともあるしラインしとこ」
私は彼氏の忍君に急いでラインを送った。
『いろいろあって今夜泊めてほしいんだけど大丈夫かな? メッセージ見たら電話ください』と私がメッセージを送ると、すぐに既読がついた。そして「OK!待ってるよ」のスタンプが返ってきた。
折り返しの電話がこないことを少し不思議に思ったが、私は身の回りの物だけスーツケースに詰めこみ、猫の花子を連れて古アパートを後にする。
彼氏のアパートに着きインターフォンを押した、だがなぜか反応が無い。
「おかしいなぁ忍君、もう寝ちゃったのかな?」
私は不信に思いながらも、ドアの鍵が開いていたので家の中に入った。そして、起こさないように彼の寝室の扉をそっと開ける。そこで、彼のベットの上のいる女の顔を見て、私の顔は限界まで青ざめた!?。
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