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「おい、まずいぞ。降ってきた」
「マジかよ。これから部活だったのに。とにかく、避難だ」
俺の声かけにツレも慌てた。俺達二人は急いで辺りを探した。
「ここでいいか、少し狭いけど我慢だな」
「そうだな、しばらく大人しくしてようぜ」
校庭で部活に励んでいた生徒も突然の雨に濡れられ、俺達のいる場所に避難してきた。
「なあ、夕立とゲリラ豪雨と何が違うんだ?」
「そりゃ、風流か、それとも下品な降り方かじゃないか?」
「何で『立つ』なんだろうな?」
「積乱雲が立つように見える……とか?」
近くから漂う女子の香りに少し興奮を覚える。
「夕立があるんだから、あさだ……」
「それこそ下品だろ。聞こえるだろ、大人しくしてろよ」
ツレに小突かれた。
「雨、止まねえな」
「止まない雨はねえよ」
ツレは言うと同時に、まさにドヤ顔をした。
「それはたぶんだが、使う場面が違うんじゃないか?」
「まあ、実際夕立だろうし、すぐ止むさ」
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