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さっきまで、童話の原稿を捲っていた指が、駿の乳首を珍しい物でも見つけたように弄っている。
弄られる度に、ぴくんと身体を反応させる駿を見て、町田は面白そうにフッと笑った。
「ほんとにココ弱いのな、駿は」
「そんなに何度も弄らないでよ……」
駿は、都度反応してしまう自分が、いい加減情けない。
「早く挿れてってば」
「まあ、そう焦んなって」
町田は、長い前髪を後ろに撫で付けて、綺麗な額を見せた。
確か今年36になる、と聞いたけれど、とてもそんな年齢には見えない張りのある身体をしている。
町田とこういう関係になって、二年が経つ。
高校に行けなくなり、引きこもっていた駿が、色んなことを妄想して書いた童話が賞を取った。
それが16の時で、町田はその時以来、担当者として駿を手引きしてくれている。
18になった時に、両親を説得してくれて、駿の一人暮らしを後押ししてくれた。
このまま引きこもりを続けるなら、親に甘えずに、自分の力でやっていけるようにと、色々と協力してくれた。
そのせいあってか、駿の書いた妄想ストーリーは、シリーズ化され、今は全国の学校図書室にも置かれるようになった。
そんな恩もあり、最初に身体を求められた時は、驚きもあったが変に納得してしまった。
こういう目的無しに、他人に対して身を尽くしてくれる人なんていないだろう。
駿は逆に、安心して町田に甘えることが出来るようになった。
町田は、駿をとても愛してくれて、困った時も悩んだ時も必ず助けてくれる。
食べたい物も読みたい本も、何でも買って与えてくれた。
けれど駿は、特に町田を愛している訳では無かった。
親にもそんなに愛された記憶が無かった為に、ただ1人愛してくれる町田に依存して生きている。
―――
「あっ……あぁっ」
町田が駿の脚をグイと持ち上げて、後ろに挿入してきた。
もうすっかり挿れられる側の身体になっている駿は、期待感で震える。
16歳上である町田はとてもセックスが上手く、駿は何度もイかされてしまう。
「駿…、愛してる……俺の駿…」
はぁはぁと息を荒くして、町田は駿に腰を打ち付けてくる。
何度もそれを繰り返し、最後は駿も気が遠くなるような気持ち良さの中、二人で白濁を散らした。
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