君といた夏

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君といた夏

 去年の夏、俺はこの部屋で一人だった。  まだ嗅ぎ慣れない新しい部屋の匂いに、自分がここに住んでいるという実感はなかった。  だけど息が詰まるあの家より一人のこの部屋の方がずっと居心地が良かった。  新しい生活を始めて最初に迎えた夏休みに思ったこと。  そして……、  あれから一年経って迎えた今年の夏──。 
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