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緑が広がる森の中……
岩を登り、木々の間を駆け抜け、木漏れ日で光る小川を飛び越える。
「見えた!」
「もう着くよ!」
「待ってー!」
薄暗い森を抜け眩しい光に包まれる。
目の前に広がるのは草原と青い空を映す大きな湖。
兎のハナ、狐のリン、鼬のユキはその光景を見て目を輝かせた。
子どもの頃からいつも一緒に遊んでいる3匹は大人なっても仲良しで、よくこの草原へとやってくる。
「いつ来ても綺麗な場所ね」
とハナが言うと
「昔と全然変わらない」
とリンが言って深呼吸をする。
「行こう!」
とユキが言うと、ハナとリンは
「うん!」
と答え、3匹は風を切って走り出した。
草原は蝶が舞い、春の草花が咲き乱れている。花かんむりを作ったり、四つ葉のクローバーを探したり、駆け回った後は仰向けに寝転がり空を見上げた。暖かい春風が吹き、たんぽぽの綿毛が青い空へと飛んでいく。
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