ふーと君は

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「めぐ」 「ん?」 何故だか私をじっと見つめてくるふうと君。 熱くなってしまった体はふうと君を求めたいのに、ふうと君は何もしないで私を見つめている。 どうしたんだろう? ちょっとすると、ふうと君は私から離れて、隣にごろんとする。 「ふうと君?」 あれ?私なんかした? 不思議に思って体を起こしてふうと君をのぞきこむ。 ふうと君は、私をちらっと見た後、目を閉じて上を向く。 え?何? 不安になって、そっとほほに触れてみる。 無反応。 「ふうと…」 切なくなってしまう。 そっと、ふうと君の胸に抱き着いてみる。 ふうと君の肌に唇が触れる。いいにおい。 思わず大きく息を吸ってしまうと、なぜかはがされる。 「ねぇ ふうと君どうしたの?」私じゃダメってこと? 変な考えがよぎって視界が少しにじむ。 その視界に、自分の下唇をなめるふうと君のべろが見えた。 今朝、私がキスした唇。 こんなそばにあるのに、私なんかしたかなぁ。 そんなことを思いながらちょっと手を伸ばして、ちょっと戸惑う。 でもやっぱり、… ふうと君の唇を指でなぞる。 嫌がられない。 じゃぁ キスしてもいいかなぁ。 「‥はぁ‥」 ほんのわずか、ふうと君から少し吐息が漏れる。 私の指にふうと君の息がかかる。 それだけで、自分の気持ちが高ぶるのがわかる。 自然とふうと君の唇に自分のを近づける。 いいの? 目を閉じたままの彼に心の中でつぶやく。 しちゃうよ キス― そう思いながら、ゆっくり軽く唇を重ねた。 その刹那、 目を見開いたふうと君にぎゅっと抱きしめられる。 「‥っ!ふうとっ‥」 「そんなに俺のことすき?」 「え?」 思ってなかった質問に変な声が出てしまう。 「好き?めぐから求めちゃうくらい」 そう言われてちょっと恥ずかしくなる。 キスしたい気持ちで、自然とふうと君の上に覆いかぶさっていた。 「‥っ あ あの す‥す」 好き、好きって言いたいけど今の体勢とこの状況が恥ずかしくて、言葉につまってしまう。 「やばくない?ちょーエロい顔してるよ?」 ニヤッと笑うふうと君。 やだ、私どんな顔してる? 「しかも腰動いちゃってるし」ふうと君の足にまたがっている自分の姿を思って、余計にふうと君を意識してしまう。 するとふうと君が、私の耳に口を寄せて、ささやくように、 「しかもよね」と言った。 ‥‥っ!! 思わずふうと君の顔を見てしまう。 意地悪な笑顔を浮かべて、足で私の中心を刺激してくる。 自分でもどんどん溢れて来るのがわかる。 「もう、下着は変えなきゃだね」 みるみる顔が熱くなるのがわかる。 なんで?なんでそんな意地悪言うの? 「いいよ めぐの好きにして」
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