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ときどき
ふうと君はとってもイケメン。
少なくとも私にとっては。
待ち合わせをするときいつも思ってしまう。
あそこで私を待ってる人が私の彼氏なんて…。って。
クールでスマートで、やさしい。
ほめすぎッて思われるけど、でも彼氏をほめない人なんていないでしょ?
でもときどき困ってしまう。
それは、二人きりの時。
どこでスイッチが入るのか、ちょっとエッチな雰囲気を突然出してくる。
そんなときはなんでか、急に年下のあざとかわいさを出してくる。
ほら今日もそう。
家事もひと段落で、ふーと君の入れてくれた紅茶を飲んでたのに…。
「ねぇ、めぐのこと舐めたい」
「へ?」
それは、ふうと君の変態なところ…。
キスしたいとか、触りたい、じゃなくて舐めたいってなに?
「ど、どこを!?」
何されるのかと不安になりながら、聞いてみる私も私だけど…。
「ここ…。」そう言って私の唇に人差し指をあててくる。
「な、舐めたらダメだよ」
しどろもどろになってしまう。
「えぇ~。じゃあ何ならいいの?」
私の唇を凝視しながらまた問うてくる。
何って…。
「食べたらいいの?」
何を言ってるんだろう。年の差なのか?ジェネレーションギャップ?
こういうのって付き合ってたら普通なの?
「…。でもなめたい」
今にもほんとにペロッてしそうに舌なめずりする。
「な、舐めたら溶けちゃう!だからダメ!」
何言ってんだろ私。
「そっか、溶けちゃうのはヤダなぁ」
納得するんだ(笑)。
「でも、俺に溶かされんのもまんざらじゃなくね?」
めぐいつもいい顔するもんなぁ。とかつぶやきながら私の髪の毛をなぶる。
そんな恥ずかしい…。
「とけるっていうかほどけてくのも好き」
だからはずいって!
「とけあうのはどう?」
いやいや提案がどんどんおかしくなってく。
「あぁ、もうなめるならいっそ一思いに食べちゃってよ!」
…!あっしまった。
遠ざけるつもりで言った一言にふうと君の表情が変わったのがわかった。
「…、じゃ遠慮なく、イタダキマス」
そう言って、完全に覚醒してしまったふうと君に、私は溶かされてほどかれて
翻弄されて、でも
—愛されてしまう—。
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