原動力は甘いモノ

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原動力は甘いモノ

「ちょっとキミ。ここはキミのような子供が来るような場所じゃないよ?」 来るも何も呼び出したのはそっちだから。 だいたい何も知らない子供がわざわざこんな暑苦しい所に来ようって思うわけないじゃん。 「おいこらガキ。ここはガキの来ていい場所じゃねぇっつってんだろ!」 うるっさいな。 僕がここにいる理由にアンタ達は関係ないんだから黙っててくれない? 「えーと、迷子かなぁボク?」 「……いちいち余計な一言言わないと済まないわけ?いいからマスターを呼んでよ」 「へ?いやあの、とりあえずそうだね。お名前を」 「……」 帰ってもいいかな。 わざわざ呼ぶものだから来たっていうのに、見世物じゃないんだからね。 「マスターを呼んで。シュウが来たって言えば分かるから。早く」 「は、はいっ」 後ろもつっかえているんだから。 言っとくけど僕は何もしていないからね。 「クソガキ。無視した挙げ句マスターを呼べとは何様のつもりだ?」 「はぁー……」 「テメェ!!」 「何。やるの?アンタには無関係だからちょっと黙っていれば済んだことなのに」 「ッ。こんのクソガキッ!」 先に手を出したのはそっちだから。もう知らないよ? 「おいゴラン!ここでは御法度だろうが!」 「うるせぇ!」 「まったく、うるさい人ばかりだね」 「ぐふっ!?」 叫ぶしか能の無いスキンヘッドのお腹に一発。 体が大きいからって態度も大きくなりすぎ。大人だろうと子供だろうとここでは力が全てなんでしょ? 「先に仕掛けたのはあっちだよ?それでも文句があるのなら、お兄さんも黙らせてあげるね?」 「い、いや。その、仲間が無礼を働いてすまなかった」 「ん。いいよ」 まあ一人くらいはね。これで皆が静かになるなら尊い犠牲だったてことにしとこうか。
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