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「うん。さすがに厳戒態勢が敷かれているみたいだね」
『今度はあまり待たせられないだろうな?』
「ううん。リルも一緒に来て」
『ん。わかったぞ』
警備隊がいる現場となると相棒がいるほうがむしろ説得力があるんだよね。
「止まりなさい。迷子か?こんな危ないところに子供が来てはいけないだろう」
「んっと、迷子じゃぁないかな」
「はぁ?」
「どうしたんだい坊や。こんなところまで何かお使いかな?」
そこまで幼く見えちゃうのかな僕。
これくらいの頃には冒険者としての経験を積み始めていてもおかしくないと思うんだけど。
15歳くらいで一人立ちするのって全然普通のことだよね?
「えっと、実はこの先に用があるだけど」
「あ"ぁ!?おいテメェ、冗談でも言ってはならねぇことってあるんだぞ!?」
「よせブラームス。キミ、遊びで言っているわけではないんだよね?」
「うん」
『んだコラ』
物分りの良さそうな相方さんがじっと僕とリルを見つめる。
ブラームスって人はリルの威嚇にちょっと腰が引けてたけどね。
「この子は、キミのパートナーで間違いないかい?」
「うん、そう」
「よし、分かったよ。それなら隊長に話を通してみようか。ついておいで」
「ちょっ、おいレイノルド」
「ありがとう」
分かってくれないのならそれはそれで。僕の目的は古龍種をどうにかすることだし。
「ごめんね。古龍種を倒して名を上げようっていうお馬鹿な連中が毎日のように続いていてさ」
「自殺志願者かな?」
「プッ。うん、そうだね。隊長もあまりの身の程知らずに同じことを言っていたよ」
気合や何かで古龍種をどうにか出来るのなら古龍種なんて呼ばれ方もされるわけないじゃん。
古くから生き長らえてきた特別な存在。まあ、今回の相手が相応に賢いのかは疑問なんだけども。
「今さらだけど名前を聞かせてもらっていいかな?ボクはレイノルドって言うんだ」
「シュウ。あ、遅くなったけど、これ」
「うん、確かに。色々と聞きたいことはあるけれど、とりあえず隊長のところに急ごうか」
うんうん、話が早くて助かるよ。
物で証拠を見せてもそれを偽物じゃないかって言うお馬鹿もよくいるけどね、レイノルド君はまともで良かったよ。
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