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「はぁ……あぁっ…………」
ようやくルカの唇が解放されたと思いきや、ひと息吐く間もなく耳朶や首筋が啄まれる。
優しい目から放たれるグレアは媚薬のようで、蕩かされたルカの衣服はいつの間にか脱ぎ去られ、身体を寄せ合ったまま寝台に倒れ込んでいた。
ジャンにとって、初恋という感情すら知らなかった頃から心に居座っていたルカという少年がいまここにいる。
大人になったルカの身体はどこか倒錯的で、背徳感で全身がゾクリとした。
「ルカ…………優しくするから…………Stay」
キスとグレアでとろとろになった視線で頷いて、そのまはまゆっくりと身体が委ねられた。
「そう、Good boy、そのまま力を抜いて」
「あぁっ……んんっ…………」
潤滑油を纏ったジャンの指が、二本、三本とルカの後ろにするりと侵入していく。
「ぁんっ…………はぁっ…………」
少し驚いたようなルカの表情とは対照的にそれはスムーズで、身体は悦んでいるのが伝わってくるのが嬉しい反面もどかしい。
頭ではもちろん理解しているが、かつての主人に教え込まれて抱き潰されて、壊されたのだと思うと思わずその手に力が籠もる。
「あぁぁぁっっ……………!!」
「ほら、Stay」
「あ…………」
いいところを探り当てて、意地悪くコマンドを念押しする。
ルカの瞳からは生理的な涙がポロポロと流れているが、彼自身もゆるく勃ちあがっていることに安堵する。
助け出すのが遅くなってしまったのが悔しくて仕方がないし、もっと甘やかしたいのに、全部自分のものにしたくて止められない。
「Good、もっと感じて」
「ああっ……ぁああああっ…………」
ジャンの指が引き抜かれ、代わりに熱い塊がルカのナカを支配した。
行き場のない熱を解放したくて、ルカは自らの昂りに手を伸ばす。
「待って……僕に掴まってて」
「んっ…………はぁ…………」
余裕なんてない、いい加減なコマンドとすら言えないが、本能で感じ取ったルカの腕がジャンの背中に回る。
噛みつかれても、引っ掻かれても、堪え切れずに放たれた生暖かい液体も、それがルカのものだと思えばすべてが媚薬となった。
「は……ルカの……すごい…………はぁっ……」
「ん………ぁ……………」
ジャンが夢中で腰を打ち付けるほどにルカの手脚も強く絡められ、お互いの境界が曖昧になっていく。
「はぁっ……可愛い……ルカ…………」
「あっ、はぁっ、あぁ…ッ………」
身体を繋げる快楽と、時折放たれるコマンドで満たされる本能がぐちゃぐちゃに混ざり合って、泥のように抱き合った。
「ルカ…………愛してる…………」
途切れることなく与えられる麻薬のような快感に支配されるまま、ルカの意識は途切れていった。
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