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生まれながらの支配階級であるDomは、年頃になるとこの施設で執事を買い取っていくのが通例となっている。
チップを埋め込まれ英才教育を受けたSubにとって主人の命令は絶対であり、当然ながら執事として非常に優秀である。
ただし、あくまでもSub性を持つ人間であることには―建前としては―変わりない。
そのため、例えば成果に対する労いといったアフターケア等の「メンテナンス」は必須であり、それを怠ればいずれ壊れていくのも必然である。
しかし、絶対的支配者であるDom側が瑕疵を認めることなど皆無であり、メンテナンス不足により不良品扱いをされ、施設に返品されることも少なくない。
なお、稀ではあるが、実態を知る支配階級にもSub性の子が生まれる場合も存在する。
Sub性を見下し施設に送る場合もあるが、大半は我が子可愛さに隠して育てられるケースも少なくなく、暗黙の了解となっている。
それでも、適当なDomのパートナーとして一生囲われて暮らすことができれば御の字――――
そう、ここはDomたちが支配する社会。
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