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数年後、モモが青年と呼ばれる年の頃になると、やがて主人は感情を示さない彼に対する興味をなくし、態度は豹変した。
無茶な命令をきかせたり、愛のない欲求のはけ口として使われた。
当然、碌に「メンテナンス」がされるはずもなく、やがてモモは壊れるべくして壊れていった。
そして成金Dom特有の理不尽な言い分で、モモという名をつけられたSubは施設に返品された。
返品されて心身がボロボロになったsubは、回復しないまま施設で一生を終える者が大半である。
今回返品された例のSub―かつてルカであり、モモと呼ばれた―も、ただ生きているだけの状態でそこにいた。
そんなとき、ある研究員がそのSubに目を付けた。
彼が進める実験の被験体として……例のSubは奇跡的に回復の兆しを見せた。
そして彼はそれをきっかけに、その研究員の保護下となった。
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