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デート
これでもかというくらい清々しく晴れた日。
なつめは、必死にめかし込んでいた。
そう、今日は久しぶりの陸人とのデートだからだ。
ここのとこ互いに忙しく、会うことが出来ない日が続いており、やっと予定が合った今日やっと会えるとなつめは心を踊らせていた。
そして今日はピクニックデート。お弁当は朝早く起きて母に教わりながら作ったし準備は万端だ。
なつめはちらりと自身の部屋の時計を見る。時刻は8時30分を回ったとこだ。
「え?もうこんな時間急がなきゃ!!」
9時に迎えに来る約束のため、残り30分で準備しなくてはならなかった。
「服どうしよう?これもいいし、あっちのでもいいし……」
さんざん悩むこと15分。選んだのはくすんだピンク色のTシャツに、グレーのプリーツスカート。
なつめは髪を軽く巻くと白のキャップを被った。
残りの時間は念入りに日焼け止めを塗ることにした。
〈ピンポーン〉
インターホンが鳴り、ドアモニターを確認すると髪をセットした陸人が立っていた。
なつめは「今行くね!」と通話ボタンを押すと、「了解」と陸人は言った。
荷物を持ち、鍵を開けると陸人も久々のデートだからかオシャレしていた。
「久しぶり」互いに照れながら言い合うと少しぎこちない足取りで車に乗った。
ふと、「今日どこ行くの?」なつめが聞くと、「内緒。もうナビには入れたから」と陸人は答えた。
道中の車内で陸人が「なつめ今日可愛い」と呟いた。
なつめは不意打ちに照れながら「ありがと。陸人もカッコいいよ」と告げると「でしょー。俺もおめかししたから」と笑った。
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