拗らせたのは誰のせい?

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「ふーん面白い。だけど、なんでその先生、なつめちゃんにそんな酷いことしたの?」 バスの窓の向こうには、長閑な景色が続いている。 学校帰り、揺られながら、カオリちゃんと私は、 話をしている。 「きっとあたしが何をしてもしなくても、そうなったと思う。けど、選んだ相手が悪いよ、あたしだよ? フッ‥‥ゴーマン‥何様だよ、あたし。 あのさ‥‥、 カオリちゃんだったら信じてくれるよね?最近 、あたしを嫌ったオトナって不思議なことに、次々と死んでるんだ‥。 あたしが部屋で1人でいる時に、誰かが居るような 音がするの。 で、あたしがアイツ()って!って言うとね、 『カサッ』て、返事してるみたいに、その誰かが答えるの‥‥。」 「それで今まで何人、死んだの?」 「3人かなぁ?みんな突然死みたい。不思議っしょ?」 「スゴいじゃん?超能力者!」 「あの教師‥‥、アイツは死なせたくないなぁ。 あたし、ああいうタイプが一番キライかも。 なんていうか、善人のフリした意地悪女?」 「死なせたくないんだ?」 「だって死ぬ瞬間って気持ちいいんだよ? そんな思い、させたくない。え、まだ カオリちゃん死んだことないの?」 「え?なつめちゃん、まさか既に死んでるヒト?」 「フフッ‥‥たまに、幽体離脱してるだけだけど。 でも、あの身体から幽体になって抜ける瞬間って、 サイコー。そして、鳥みたいに腕を広げて 空を飛ぶの。」 私が降りるバス停は、もうすぐだ。 「明日は、アタシの秘密をなつめちゃんに教えるよ!」と、カオリちゃん。 「うん!楽しみにしてる、きっとあたしのより、 スゴいんじゃない?」 カオリちゃんはを乗せたバスは、『弥勒園』に 向かって再び発車した。 手を振って見送りながら、 私はクラスメイトに聞いた話を思い出して呟く。 「ねぇカオリちゃん、5年3組なんて H小学校には無いんでしょ?」 いったい、カオリちゃんたら何者なのよ?
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