序章

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序章

私が、ある事情で K小学校からH小学校に 転校したのは確か、5年生の頃であったと思う。 ある事情とは、その年度から担任になった 女教師に、どういうわけか執拗に 虐められたことだった。 私はまだ子供で、何が彼女をそうさせるのかは 全く分からなかったが、とにかく ターゲットにされてしまったということだ。 きっと私という生徒は、別に大した悪さを しなくとも、良い子には見えないということなのか。 「今にきっと悪いことをする‥‥」そんな予感が、 道徳的な彼女らを駆り立てた理由だったりして。 所詮、大方の大人は、 子供の成れの果てにしか過ぎず、哀れで、 汚い生き物だ。 しかし子供達は、そんな大人達を 訝しげに寄せた眉毛の間から、じーっくりと 観察してみることにする、それは ただ、その醜さの理由(ワケ)を知りたいから。
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