La storia degli altri

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 「はぁ、美味しかった! やっぱり君の作る料理じゃないと食べた気がしないね」  「ごちそうさま!」  「美味しかったわ。ありがとう」   3人は黙々と食べ続け、数分もしないうちに食べきってしまった。飲み物は男がその都度継ぎ足していたので無くなることはなかったが、今まで飲まなかったのかという程たくさん飲んでいた。   「嬉しい限りです。皆さんはの店に来たことがあるのですか?」   男は男性が言った言葉に疑問を浮かべた。3人はまた顔を見合わせて青を強調した女性が答えた。  「ウチラはここに来たのは今日が初めてだけど、アンタがこの店を始めるっていうのは知ってたよ。リーダーがあんなこと言ったのは言葉の綾みたいなもんさ。あんまり気にしないで」   男はあまり納得出来ていない様子だったが、筋肉が凄い女性が笑っていたので大人しく引き下がった。  「今日閉店後に来たのは、君に渡したいものがあったからなんだ」   「渡したいもの?」   男性はそう言うとポケットから何かを取り出した。男はあっ、と思わず声を上げた。   「それって――」   男はコートのポケットから男性が取り出したものと同じ緑の欠片を取り出した。  「既に1つ持っていたのか? 君は魔石というものを知っているかい?」   「少しだけ、ですけど」   男性はためらうような素振りを見せた後、説明を始めた。  「魔石は魔法石の上位の石で、これは呪いがかけられた魔石の欠片なんだ。この呪いが厄介で、発動させた人の記憶を魔石に封じてしまうんだ」   「その魔石は、『ヒスイ』ですか?」  「えっ? そうなの? 何で言ってくれなかったんだろう?」   男性の呟きは男には聞こえない。『誰か』の途切れた思いが、繋がった気がしたから。   「それを、私にくれるのですか……?」  「いらない?」   「いえいえ! ありがたく頂戴します!」   男は興奮気味に言ってヒスイの欠片を貰った。しばらく眺めた後、男は持っていた欠片とそれを合わせた。   「――繋がった」  「ウソ!? そんな簡単にくっつくの!?」  「そんなわけないでしょ。これが特殊なだけよ」   驚きを隠せない女性達。男性はあの時のように泣きそうな顔をしていたが、すぐに驚きの表情を浮かべた。  「そんなすぐに合わせられるなんて相変わらず凄いね。その欠片は元々君のだったんだ。本当は完成したら返そうと思っていたんだけど、それだと時間がかかってしまうからそれだけ返しに来たんだ」  「あまりにも魔石の欠片が世界中に飛んじゃってね。私達が生きている間に全ての欠片を見つけることが出来れば良いんだけど」   「ありがとう、ございます。この石は、完成させないといけないと思っていたんです。また見つけたら、店に来てください。サービスしますよ」   男はヒスイの欠片から目を離し、3人の方へ向いた。その目は太陽の光を浴びて透明なオレンジが輝いていた。   3人は顔を綻ばせた。  「そろそろ僕達は帰るね。街の宿で待ち合わせをしている人がいるんだ」  「そうね。パンケーキ、美味しかったわ。ありがとう」  「ごちそーさま!」   「ありがとうございます!」   3人は席を立って扉に向かう。それを見ていた男は忘れていたあることを思い出して3人を呼び止めた。   「あの!」   3人が同時に振り向く。   「皆さんのお名前は、なんですか?」   男性が笑う。その瞳は太陽の日差しを浴びた、若葉のように明るかった。  「私の名前は『オパール』よ」  「ウチは『アクアマリン』! 次会った時はアクアって呼んで!」   女性達が自己紹介をする。最後はリーダーの男性だ。  「僕の名前は――
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