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漆原善治の鼻の穴から赤黒い血が流れてきた。
代償は大きすぎた。
善治の人差し指も、禍々しく血塗られた。
血の他に、人差し指には米粒大の鼻くそのようなものがついてきた。
鼻くそだ。
この鼻くそを追って、2〜3分と血液という犠牲を払った。
捧げたものに対して、収穫が割に合わないことに善治は苛立ちを覚えた。
「くそが」
善治は血みどろの鼻くそを、デコピンの要領で窓から投げ捨てた。
弾丸のように放たれた鼻くそは、大空へ羽ばたき、やがて見えなくなった。
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