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生徒指導室に呼び出された一花は何を言われても黙っていた。
「どうしてこんなことをしたんだ。」
一花は、ふてくされた目をする。
水をかけられた藍里は悔しそうに泣いていた。
教師は険しい顔をして藍里にも問い詰める。
「お前も泣いてばっかじゃ分かんないぞ。」
藍里は唇を噛み締めた。
「何があったか話してみろ。」
「死ねって…言われました。」
藍里は言いづらそうに話し始めた。
「なんだって…」
「前からノート捨てられたり、体操服をびしょ濡れにされたりしてて、どうしたらいいか分からなくて…。」
その言葉を聞いて一花が藍里を睨み付ける。
「ハッキリ言うが」
教師は前のめりになって一花を睨みつけた。
「お前やってることは、明らかに“いじめ”だ。」
“いじめ”という言葉を強調する教師。
「人をいじめてはいけないって、もう高1なんだぞ。言われなくても分かるだろ。」
一花はそれでもイラついた表情をして、反省のない態度を崩さなかった。
「いい加減にしろ!」
頭にきた教師が、机をバンッと叩きつける。
驚いた藍里の横で、一花は微動だにしなかった。
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