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幼い頃、僕には友達が居た。仲良しだったと僕は思っていた。
床を歩く姿が妙に可愛くて、手を差し伸べると手の甲によじ登ってくる。そんな愛嬌のある友達だった。
名前は「水玉」
僕がつけた名前だ。
今日も水玉と遊んでいる。開けられた窓から入る風が心地よかった。
ピンポーン。あっ、誰か来たらしい。
ドシドシドシ、足音が近づいてきた。
「あーーー!」
「何?」
僕の悲鳴にオバサンは驚いたようだった。
「踏み潰した。僕の水玉を踏み潰したーー」オバサンは足元を見ると、
「何だ、てんとう虫か」
と行って、普通にテーブルのところに座ってテレビを見始めた。
僕は、今でも鮮明に覚えている。
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