五十円女

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「50円で買えましたよ。それも、二つ」 男の人は、嬉しそうに言った。 そして、 「はい」 と、凡子に一つ、渡した。 凡子は、ボーっとなったまま受け取った。 その時、同僚の中のベテラン講師が、男の人に叫んだ。 「あっ! どっかで見た方だと思ったら、あなた、副社長の沢渡(さわたり)さんでしょ!」 「えええっ?! ふ、副社長?!」 権田が驚いた。
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