五十円女

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「50円の価値もねえ女だな」 吐き捨てるように、同僚の権田(ごんだ)に言われた。 平井凡子(ひらいぼんこ)は、その言葉が、胸にぐさりと刺さった。 飲み会の酔ったうえでの発言とはいえ、今の凡子にとって、その言葉は、あまりにキツすぎた。 「大体さあ……」 権田が続ける。 「平井さんが、時給千円も貰ってるなんて、おかしいぜ」
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