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橋の欄干に手を掛け、下の方を覗き込む。
橋の下には淀んだ、碧色の川。
湿気を含んだ川の、青い臭いがする。
この橋には昔からの言い伝えがある。
今でこそ、「紅葉橋」などと綺麗な名前がつけられているが、昔は「首切り橋」と言って、罪人の首を切り落とす場所だったらしい。
血で川が赤く染まり、紅葉のように赤く染まることから、そのような名前がついたらしいが、本当かどうかは私も知らない。
今、橋の上から川を見つめる私が思うことは、私は着実に死へと近づいているということだ。
首切り橋の逸話を思い出すという行為そのものが、私を死へと誘う。
片脚を、彫り物の施された鉄の格子へ引っ掛ける。
自分の意思なのか、見えない何かの力がそうさせるのかは分からない。
ただ、片脚に込められる力は弱まらない。
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