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 パンチパーマのカオナシ。  逃げることは不可能だ、とおそるおそるドアを半開きにした淳一に、パンチ・カオナシが叫んだ。 「だいじょうぶだが? あんたらの車さ、雷、落ちたぞ!」  淳一は、パンチ・カオナシの予想外の優しさと自分の車についての凶報に一度息をのみ、それからごくりと事態を飲み込んだ。 「あ……ありがとうございます、えーと、JAF呼ぶので、大丈夫です」 「雷、車さ落ちでも、中の人平気ってほんとだな。まんず、からだなんともなくて、良がった」  パンチ・カオナシはひょいひょい、と、でき始めた水たまりをジャンプしながらトラックへ戻っていった。  雨はみるみる激しくなり、早くこの夕立ゾーンを抜けたい車が次々、水しぶきを上げて横をすり抜けていく。  トラックのハザードが消え、うねりながら水が流れ落ちるフロントガラスにテールランプの赤が滲み、そして消えていった。 「気象予報士のくせに、って思ってますよね……これは予測不可能」  雨音が屋根を打つ車内に、淳一の意気消沈した声が霞んだ。
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