6人が本棚に入れています
本棚に追加
助手席からは、賛同の笑い声。
志信は、顔を真っ赤にして、寝入っている都を見つめる。そして。
「都は俺のだからな」
寝息を立てている都の耳元で、宣言する。
小さな囁きは、夢の中の都に届いているのか否か。
由子にはわからない。だけど。
満足そうに、寝返りを。
打とうとして、都の身体が、ぽてん、志信の膝元へ転がったから。
「悪くはないわ」
眠っている都の頭をそっと、愛しそうに撫でながら、由子、志信と顔を見合わせ、どちらからともなく悪戯を企む子供のように、にやりと笑う――……
Pretend, Elopement―――fin.
最初のコメントを投稿しよう!