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「付き合おうよ」
女の子が苦手で、どう対応すればいいのか困惑していた志信に、真っ正面から告白してきた少女。それが、都だった。
高校に入って最初の冬、手作りのチョコレートをもらった。砂糖の量が多い、甘いチョコレートだった。それでも志信は全部、平らげていた。都の笑顔を見たかったから。
いつからだろう。三藤さんという単なるクラスメートが、都というかけがえのない大切な女の子になったのは。
そしてそれを、周囲が認めてくれるようになったのは。
……都が公言したんだっけ。「ノブはあたしの」って。俺を物みたいに扱いやがって。でもそれが、とても嬉しかった。成績もルックスもほどほどで、不器用な性格で、女の子に対して優しい言葉を口にすることすらできない自分を、都は好きだと言ってくれるのだから。
毎日、彼女と過ごしていくうちに、それがずっと続いていくものと錯覚した。だから、耐えられなかった。
理不尽な理由で、離れ離れになるのが。
それならいっそ、突き放したほうが……
「ノブ。シィノブくん。何を考えていたのかな?」
見知らぬ土地で、二人きり。沢山の星が、二人を祝福するように輝いている。
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