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風呂上りのアキを、ベッドの横を叩いて呼ぶ。
「家主俺なんだけど」
「知ってる。いいから早く。」
布団の中を潜って隣に来たアキの腕を引っ張って腕に閉じ込めた。いつもいい匂いをさせてるけど、風呂上りの香りは俺の特権のような気がして嗅ぎたくなる。そういうフェチとかは無かったはずなんだけれど。
「アキ、こっち向いて」
「ん。」
柔らかい唇の上に唇を重ねる。アキの方から首に回してきて『そういう気分』なのかと、口づけを深くしていく。逃げようとする体を引き寄せて、パジャマの裾に手を入れようとすると、その手を遮られた。
「アキ、ゲイはセックスするカップルばかりじゃないって言ってたけど、アキはどっちなの」
アキの大きくて藍色の瞳が揺れる。ふっと視線を逸らしたかと思うと、ぎこちない手つきで腰に手を回してきた。
アキの顎を持ち上げて吸い込まれそうな目と向き合った。
「アキ。大事なことだよ。ちゃんと言わないとダメだよ。」
「…しい。」
「ん?」
消え入りそうな声を聞き取ろうと口元に耳を寄せると、泣いているかのような声でもう一度言った。
「抱いて、欲しい。」
「よく出来ました。」
瞳にキスをして頭を撫でると、その手は振り払われて、アキの方からキスをして来た。口の奥まで深く侵すようなキスは今まで何か我慢していたものを一気に吹っ切ったようだった。
「出来ないことはちゃんと言うよ。約束する。だからアキも我慢しないで言うって約束出来る?」
コクリと小さく頷いたのを合図にアキを組み敷いて、上のパジャマを脱がした。
胸もなく、骨ばった体は確かに男の体つきだったけど、男でも女でもなくアキの体という感じがしてただ綺麗だと思った。
「アキ、綺麗だよ」
「……」
「アキ?」
「うん」
手で顔を隠そうとするアキの手を掴まえて顔を覗くと、何故か顔を真っ赤にして困惑の表情を浮かべていた。
綺麗だなんてアキは言われ慣れてそうなのに
「嫌だった?綺麗って」
「違う」
顔を横に背けて目を合わせようとしないから耳朶を噛んだり、うなじを舐めたりすると、アキも求めるように背中に手を回してきてくれた。
「アキ可愛い」
「…っ、うん」
「ねえアキ、我慢しないって約束したよ。何を言われたくないの」
「お前が、イメージ通りのこと言うから…」
言われた意味を理解するまでに時間がかかって、言葉を脳内で反芻する。
「反応に困ってるだけだ」
「それってつまり俺でヌ」
「言うな」
恋人が可愛すぎて頭が真っ白になるなんてこれまでにあっただろうか。天にも昇りそうな気持ちをアキの胸に顔を埋めてなんとか落ち着かせようとする。ジュニアは元気になってしまった。
「きょ、京哉?」
「アキの中の俺は他になんて言って抱いてたの?」
「勘弁してくれよ……」
「なんで?俺はアキに好き好きって言わせてヌいたよ。」
「ぜってぇ言わねぇ」
「言ってくれないの?強情だなぁアキは。いいよ後で言わせるから。」
指先で乳首をコリコリと転がすと、耐えるような声が漏れてきた。そのままもう片方の乳首を口に含んで舌先で転がすと、今度は口元を抑えて無言になってしまった。抱いて欲しいと言った割に、余りにもウブな反応に何か違和感を覚える。
「アキっていつもダンマリなの?それとも……俺だから声出さないの?」
怯えたような目が答えを言っていて、両手を掴んで頭の横に抑えつけた。
「許さないよアキ。他のヤツには啼いて俺にはダンマリなんて。どんな声聞かしてやってたの。ほら」
「きょう、や」
服の上からペニスとペニスをあてがって擦り合わせる。お互い固くなっていっていくのがわかる。
「2度も言わせないでよ、俺は男のアキを好きになったのに。」
アキの目が見開かれたかと思うと、唇が震えながら少し開いた。
手を頭の上に片手で抑えつけるように持ち替えて、もう一度、乳首を攻めながらうなじにも舌を這わせた。
「んっ...はっ、あっ」
普段ハスキーなアキの声が少し高くなった綺麗な声に変わる。脳内にはないアキの姿に顔が熱くなった。
「もっと」
「きょう……」
「うん?」
「ごめ、んっ」
「怒ってないから全部見せて」
パジャマと一緒にパンツも脱がすと、当然ながら出てきたブツに唾を飲んだ。修学旅行とか温泉とかで見たとかそんなレベルじゃなくて、この至近距離で、恋愛感情を持った相手のものを見るのはなんともいえない存在感があって、抵抗がある訳じゃないけれど直ぐに手が伸びなかった。
「無理、しなくていい」
「いや、チン毛薄いなって……あだっ」
誤魔化しのために本当にそう思った適当な感想を並べたら蹴りが飛んできた。まばらながら量も少なくて、恐らく地で薄くて量も少ないんだろう。アキらしい。
頭をかがめて自分がされて気持ち良かったことを思い出しながら、ペニスを片手に取り、口に含んだ。想像以上に、恐らく平均以上には大きいサイズに少し驚きつつ、チンコってこんな味だったのかと思いながら舌を回して行った。意外と口の中じゃ回しにくくて強く吸ったり、まぁなんとか思いつく限りのことをして、大きくなるのが唯一の救いだった。
「もう、いいよ」
「気持ちよくなかった?」
「もう十分、嬉しかったから」
はにかんで笑ってくれてるけど、気持ちよくはなかったんだな。確かに小さく声は出てたけど、そんなに喘いでもなければチンコの反応もイマイチだった。次への課題にするとして次は、とアナルの方に指を添えると
「やり方、知ってるの?」
「一応、調べた」
「……ありがとう」
「これであってる?」
アキは上半身を起こすと、俺の指に手を添えて一緒にアナル周りを解し始めた。
「京哉、ちょっと、こっち」
「んっ」
言われるがまま顔を近付けると唇を貪るようにキスをしてきた。歯が当たるのもお構い無しに、顔は少し苛立って、それでいて紅潮していて、煽られるまま舌を絡めた。
糸を引きながら顔を離すと、アキは上半身だけベッドサイドに寄せて何か色々取り出した。その内の小さな箱を持ってきた。
「フィンガー...?」
「指用のゴム。」
作業的に人差し指から薬指までつけられていく。次は直接アナルにあてがって入れようとするけど思うように入らない。
「アキ、もっかい寝て、ココは見ないから」
少し図星をつかれたような顔をして、一緒にそのままもう一度体を倒した。一度アナルの中の解し方もアキに指南されてしまって、あとはその要領のままアキの顔を眺めた。視線を感じて不思議そうにこっちを見ているのが面白くてからかうことにした。
「アキの顔は見るよ。アキもこっち見てよ。」
「……っ」
「アキがこっち見てくれたら黙る。目を逸らすなら実況中継するっていうのはどう?ほら、顔が赤くなった」
「バカ」
横目でこちらに視線をくれては顔ごとそらして、やっとこっちを見たかと思うとやっぱり視線を逸らして、そして横目で見る。律儀にこっちを見ようとしてるのが可愛くてこれはこれで実況中継したくなった。
「きょ、や、指…増やして」
「わかった」
「あと、キスして」
「ずるいなぁアキは。そんなに俺の顔見たくない?」
「別に……そういう訳じゃない」
熱を持った瞳のまま軽く唇を当てては、視線をぶつけて、またついばむように唇を重ねてはお互いの熱を確認するようにその表情を見た。早く入れたくなって3本目の薬指が疼いた。
背中に回された手を2回トントンと叩かれて顔を見合わせると小声で
「指」
と言われた。
「うん。」
アキも同じ気持ちなのかなと思うとたまらなくなって、首筋を深く吸い上げた。
「京哉、痛い‥‥あんまやると痕がつく、やめろ」
「知ってる、ごめん、痕つかなかったからもっかいするね、我慢して」
「そこは見える、別の所にしろ」
アキの抗議に構わず深く吸い上げると、背中に爪を立てられた。痛みは不思議と感じなかった。
「アキ、本当に嫌なら背中に爪で引っ掻くんじゃなくてもっと逃げないと。痕ついちゃったよ。」
「……っ」
首に腕を回されて体を引き寄せられたかと思うと、今度は首筋を思いっきり噛まれた。
「いっ、」
さすがに痛くて声が漏れた。
「仕返しだ。良かったな、痕がついたぞ。」
「はっ……アキ、サイコー」
今までにない高揚感を覚えていると、アキの手が忍び寄ってきて、ペニスを上下に擦られる。正直、自分でするより気持ちが良くて直ぐに勃って固くなっていった。
「も、入れて……」
既に我慢汁が先端から出ていたらしく、手のひらをペロリと舐めるアキの姿は今までの中で格段にエロかった。
指用のゴミを捨てて、見慣れた方のゴムをつけてローションを上からたっぷりつけた。
「入れるよ、痛かったら言って」
「ん。」
入って割と直ぐにアキの体は震えて中が締まって進めなくなった。
「痛い?」
「いいから、ちょっ、待っ」
深呼吸をしてちょっとずつ入って、深呼吸してちょっとずつ入っての繰り返しでようやく全部入った。なんというか、想像よりもずっと大変だけど
「うっ……」
「痛い?」
「気持ち、いい……」
想像なんか比較にならないほど可愛かった。
「動いて大丈夫?」
小さくコクンと頷いたのを確認して動いてみるも、中が絡み合うように締め付けられて激しくは動けなかった。
少し中が緩んでその隙に動くと激しく、苦しそうな嬌声が飛ぶ。男女と男同士だと楽な姿勢とかは違うのかどうか頭に巡るも答えは出ず、向かい合うようにして座って抱き合った。
「アキ、辛くない?」
「……ん、」
「また動くよ」
「ん」
素っ気ない返事が返って来るものの、下から突けば甘い声が出て来る。
辛そうな吐息は変わらなくて、確認せずには居られなかった。
「アキ、気持ちいい?」
「うるさ、いよ、もう‥‥」
「え?うるさ??」
一方的倒され、アキは体の中心部で馬乗りになって腰を振り始めた。
「ア、アキ?!」
「京哉」
「う、うん」
「……俺で、イけよ」
挑発的な言葉とは裏腹に懇願にも似た言い方で、心と体が震えて理性もどっか飛んでったような気がする。
「うっ……はっ、はぁ」
アキは苦しそうに舌を口から出して唾液が垂らした。辛そうな顔をしているのに、その顔を更に歪めてやりたくて下から突いた。
「もう止まってあげられないかも」
「ひゃう、あっ、ああっ、はっ」
アキが体を支えられずに胸に雪崩込んできた。間近で見る顔には涙が浮かんでいて、もう溢れ落ちる寸前だった。指先でぬぐいながら、アキの体を抱きしめて落ち着かせようとすると、こちらの考えを察したように口を開いた。
「……から」
「え?」
「ぜん、ぶ、気持ち…い、‥‥から」
「アキ……もうこれ以上煽らないでよ」
こちらが突いてもアキは応じる余裕もなく、体を震わせながら胸の中にうずくまった。
「あぅ・・・うぁっんっ」
「アキ、アキ、好き」
「あー…んぁ、はぁ……」
「休んじゃダメだよ、アキが煽ったんだから」
震わせる体を下に下ろしながら上に突き上げると今日一番の嬌声と、生暖かいものが腹部に感じた。
「アキ、イったね。ごめんね、俺ももうすぐイくから、もう少し頑張って」
「ふっ‥うっ……」
「ねぇアキも俺の事好きなら好きって言ってよ」
「す……んっ」
「うん」
「……んんぁ」
「それじゃ聞こえない、言って」
好きと言おうとするタイミングで突き上げると苦しそうに喘いで、それでも泣きながら好きだと言おうとしてくれる姿が味わったことの無い温かさを胸に広げていった。
「す、き」
「うん、好き、アキ」
「す……っうぅ」
生まれて初めて味わうような幸福の中で絶頂に達した。
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