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「正直に言えば、誰かをそばに置けばその人も殺してしまいそうで怖かった。でもそれ以上に、華となら楽しく暮らせそうだと思った。これからもずっと、俺と夏希のそばにいてくれないか」
卓海が熱烈な告白をしている最中、田口もやってきた。玄関を陣取る保護者達にいらだったが、その向こうに長身の卓海が見えて、途端に笑顔になる。
「おっはよー、ごめんなさい、ごめんなさーい」
我先に入ろうと人垣に分け入ったが、
「あら、梨絵ちゃんママ」
「駄目よ、今は世紀の告白中」
周りに止められ「なによ」と思った、中を見れば奥に華の姿が見える、園長も事務所の前に立っていた。
あの写真のおかげかとほくそ笑んだ。破廉恥だふしだらだと責められているに違いないと思う。華などさっさとクビになればいいのだ。
だが、周囲の反応は思っていたものと違う。
「いやーん、ドラマみたいじゃなーい!?」
「カメラはどこぞに!?」
「あん、もう、なっちゃんパパの顔が見たいっ」
田口の眉間にしわが寄る。
「──なんなの?」
「あのね、なっちゃんパパね、奥様亡くされてたみたい」
「え!?」
「で、華先生に再婚の申し込み」
「ええ!?」
「今度三回忌なんだって。三回忌ってことは、2年目ってことよね?」
「えええ!?」
なぜ卓海相手が自分ではないのかと思い、睨みつけていた。
「華先生」
ホールの入り口に立つ保育士が声をかける。
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