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☆
華はやや早く仕事切り上げ電車に乗ったが、卓海よりも3本後の電車となる。
急いで卓海のマンションへ向かった、そこには既に母と礼子はそろい踏みで盛り上がっていた。
「もー、よかったわよー! 仕事しか頭にないと思ってた華も、ちゃんと結婚を考えてたのねー!」
母の敦子は大喜びだ、その隣に座る礼子も膝に夏希を乗せにこにこしている。
「これもご縁ね、本当によかった」
皆の喜びがわかるのか、夏希も嬉しそうだ。
「いや、あのさ」
「え、嫌?」
「いや、その嫌じゃなくて」
敦子のつっこみを華は慌てて訂正する。玄関まで迎えに来た卓海に勧められ礼子に前の椅子に腰かけた、卓海はその隣、敦子の前の椅子に座る。
「その、やっぱさ、園児の親となんて、なんか体裁悪いし」
華は背中を丸め、もじもじと指を動かしながらいった。
「じゃあ辞めればいいじゃない」
敦子にあっさり言われて、華の眉間にしわが寄る。
「別に、俺が転園してもいいし」
卓海も言うが、
「でも、せっかく夏希ちゃんも慣れてきたところなのに、親の都合で可哀そう……」
「だから、あなたが辞めればいいだけでしょ」
敦子は追い打ちをかけるだけだ、華は溜息を吐いた。
「お母さんの、そういうとこ嫌い」
言われて敦子は「そう?」と笑うばかりだ。
「別にあさひばかりが仕事場じゃないでしょ。夏希ちゃんが卒園する頃まで一時的に離職したっていいし、夏希ちゃんは一旦退園して幼稚園に入りなおすのもいいし、そもそももう知れ渡ってるんでしょ? 今更体裁気にする?」
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