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卓海から朝の登園時に園長も立ち合いの元プロポーズしたと聞いただけだが、ならば何の問題があるのだと思う。
「そう、なんだけど」
朝の様子を思い出して華は胃が痛くなる、確かにこれ以上ないほど知れ渡っている。この先、陰で何をいわれることになるか。
(辞めるのか)
それが一番の解決方法だ、母がいうとおり仕事場はあさひ保育園だけではない。それでもあさひ保育園が居心地がいいのは確かだ。
「仕事だけの問題?」
卓海に静かに聞かれ、華は小さく頷く、小さくなったのは、それだけではないからだが。
「本当に、あなたは! 華ねー、それで以前付き合ってた男に振られたのよー、俺と仕事、どっちが大事なんだ!ってやつよ」
「お母さんっ」
「ああ、でもわかります、保育士も大変な仕事だよな、拘束時間長いよな」
「別に私が好きで働いてるだけだし、前の男の束縛がひどかったのもある……」
それでも華も男性経験が豊富なわけでない、しかし直近につきあった男は些細なことでもメッセージで報告し、華の返事がスタンプ程度では怒る男ではあった。仕事中は無理だと言えば、スタンプ送る時間があるならできるだろう、俺への愛が足りない、というのである。
「別に俺は華が生きがい感じて働いてるのは知ってるし、文句はないぞ」
「……ありがと」
「──って、やったーって感じじゃねえな?」
「うーん」
「嫌なら嫌っていえよ、大勢の前で告白した上、華のお母さんと礼子さんにまで来てもらって、俺も取り返しがつかんわ」
「ごめん、嫌じゃないの、ごめん、それは本当に」
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