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 そこに映し出されていたのは、見覚えのある顔だった。 「今と全然違いますよね?恥ずかしいですが、これは私の小学生のときの写真です。あ、でも、整形はしてませんよ?」  miu はふふふっと笑う。    里子は目を疑う。そこにいたのは、小学生時代の友人だった。  写真は運動会のときの写真のようで、周りには数人の女の子が写っている。顔にはモザイクがかかっているが、里子には誰だかはっきりと分かる。  みんなが笑顔の中でも、いつも自分は、いつも下を向いていたことを思い出す。 「メイクと髪型や、話し方を変えるだけで、自信につながったんです。それまでは、『私なんか』って思っていつも下を向いてた。友達にも内心馬鹿にされてたと思う」  miu が悲しそうな顔をする。  里子が耳を疑う。  写真の背景、服装、すべてに見覚えがある。この写真は実家に飾られているものと同じだ。笑っていない自分の娘の写真を飾るなんて、といつも睨んでいたあの写真。  彼女、miuは美奈だ。間違いない。  間違っているのは、彼女が語っている言葉たちと、修正された美奈の顔。  美奈は、いつも友達に囲まれていて、下を向いている自分にも話しかけてくれる子だった。鼻はもっと低く、目は一重だ。  昔の写真ごと彼女は修正している。  下を向いて『私なんか』って思っていたのは、里子のほうだった。  コメント欄には、【え!普通に可愛いじゃん】【垢抜けたね!でも元も可愛い】などと肯定的な言葉が相次ぐ。  里子は、事態についていけない。  パーツは違うものの、話し方や仕草。  今まで気づかなかった自分に腹が立つほど、今になって美奈と一致する。  
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