わかんないひと

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月光に 一片の曇りなし 世の秩序 守る者に 覇者はなし 愚かと罵られる事 また一興 嘯く魔王、何を見る 人の今生、一度の夢 神も仏も今生の夢 ならば儂も神になれる 高らかに笑っていればよい 無茶をせねば、ならぬようだが。 かっこうよかった、それでも愛をしらなかった 何をもとめた じぶんをしらなかった? いやよくしっていた おひげのおじさん やさしかった、やさしくなかった その反転の間にいた きまぐれだった たくさんころした くいはなかった かみさまになりたかったおじさん きんきんごえだった、肌は白かった すきな人はいた みんなにすかれていた そしてこわがられていた でもすかれていた すきなひとからは嫌われていた かわいそうなおじさん ひとりだった うまれてからしぬまで ちょっとさみしかった くいはなかった こうかいをしらなかった あいを知らなかった まもりたかったのはみらいなんだ でもおじさんのみらいはだれも知らない ほんとに夢みたのはなに? それをきくと うすわらいをうかべるおじさん そしてひとこと 全ては夢の中よ おじさんは、夢見る おじさんは現世で夢を見た。 【わかんないひと】
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