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序章
私の親は不思議な二人だ。名前はそれぞれ一対で、天と地を意味する〈冥界〉ラグナロクと〈救世主〉メシア。そして、そんな親の間に生まれた私の名前は〈届く声〉アーディア。
私の親の他にも、私の家には〈黄金郷〉エルドラド、〈遺されたもの〉レリック、〈桃源郷〉シャングリラがいる。変わっているなといつも思う。
私には一つの変わった趣味がある。それぞれの名前にあった力が使えるように、私にも名前にあった力が使える。
内容としては「人に声を届ける」。テレパシーみたいな感じだ。私の名前は〈届く声〉。声を届かせることができるのだ。そうしていろいろな人に声をかけ、唯一帰ってきた声と話す、そのことが私の趣味だ。少し危ない気がするけど、まだ声だけだから多分大丈夫。
そんな油断が私に危機を招く羽目になるとは、その時は思っていなかった。
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