一章

1/1
前へ
/7ページ
次へ

一章

 私は少し暇になり、二階にあるバルコニーに向かう。 「はーっ」  バルコニーに出ると、柵によりかかり外の景色を眺める人がいた。 「あら?アーディア、ここに来るなんて珍しいわね」 「あ……、お母さん」  其処に居たのはお母さんだった。 「どうしたの?」 「……」 「そういえば、まだ話していないことがあったわね」 「え?お母さんとお父さんのこと?」  私はお母さんに言われ、バルコニーにある椅子に座る。多分長い話になるんだろうと思う。 「そうよ。前に話したわよね、私とラグナロクは一度分かれてしまった、と。その時にラグナロクを攫って行ったのがヘカテーだったの」 「ヘカテーって誰?」 「あ、ごめんなさいね。昔の癖なの。エルドラドの事よ」 「そうだったの?!」 「ええ。多分この話をすると長くなるけれど、いいかしら?」 「うん、もちろん!」 「後、エルドラドがヘカテーってことも覚えておいてね」 「分かった!」 「じゃあ行くわね。それはかなり昔の話だったわ」
/7ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加