栗田優の場合

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 被害者・栗田優、男性、三十四歳、未婚。大手証券会社勤務、若くして実績が認められたことで先日課長に昇進。同期の中ではかなり優秀な人材。  趣味は筋トレとジョギング。大学時代の友人とは月二回フットサルをしている。  秋の大型連休後に無断欠勤が数日続いたため、同僚が一人暮らしのマンションに訪れるも応答なし。会社から両親に連絡し、自宅を確認したが本人はおらず、一週間以上誰とも接触がないことがわかり捜索願いが出される。  社交的でプライベートも充実しているが、これといったトラブルはなく、心配する声はあったが恨まれるような話はなかった。  昨晩未明、徘徊しているホームレスが湾岸の工場地帯にて放置されていたドラム缶から遺体を発見、近くの交番に連絡が入る。遺体の状況から、三ヶ月前に発見された遺体・津島憲明と同様に胸に赤いペンキで鳥居のようなものが書かれていた。  二つの遺体発見現場は離れており、津島は人里離れた山道で不法投棄の巡回をしていた係員により大型のキャリーバック内から発見された。  また、現場近くには錆びた十円玉も落ちており、こちらは報道されていないため、同一の犯人による犯行と推定。連続猟奇殺人事件として捜査する。  現在、津島と栗田の関係性を精査中。
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