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「――まずは聞き込みだ。所轄は栗田と津島の周辺をもう一度回れ。本庁は二人の会社だ」
会議を指揮した捜査一課係長の号令に合わせて男たちが会議室を後にしていく。井波は長嶋の傍で舌打ちをし、長机の足を蹴って去っていった。
「おーこわいこわい」
「ゲンさん、野太いっすね」
「野太いってなんだよ、図太いだろ」
「野太いのほうが強そうじゃないっすか?」
「野太いも図太いも、本来どちらでも同等の意味です」
人がはけるのを待ってる源次と隆晴の机の前で、かっちりとしたスーツを召した男が声をかけた。
「か、管理官!?」
萩原管理官に気付いた隆晴が席を立ち背筋を伸ばした。源次は遅れて立ち、特別捜査本部のトップと視線を合わせる。
「今回の事件、所轄の皆様には苦労をかけると思います。くれぐれも気をつけて」
「りょ、了解であります!」
「ゲンさんも、おかわりないようで。まだ無茶な捜査をしているんですか」
「……いえ。今は堅実な捜査をしています。管理官、俺のような三下の相手をせず、ぜひご自分の仕事に戻ってください」
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